プレスリリース添削・批評・書き方講座

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★3 アイキューブドシステムズ:Windows 10 に対応した「CLOMO MDM」を提供

アイキューブドシステムズと日本マイクロソフト、 “モバイルファースト、クラウドファースト” 時代の新たな協業で合意- MDM サービスのプラットフォームを Microsoft Azure へ全面移行し、
第一弾として、Windows 10 に対応した「CLOMO MDM」を提供 -

これがタイトル。これ、リリース配信サイトで見たとき、上2行とした2行が同じフォントで書かれていて、文字数オーバーで表示されず、頭おかしいのかと思ったが、元サイトを見て納得した。でも、どちらにせよ、長すぎる。リリース配信サイトを見た段階で、アホか、と思われたら、元サイトを見てもらえる可能性は格段に低くなる。

 

タイトルで、あやふやな言葉で時代を語るのは意味がない。別にそれ、リリースで伝えることじゃない。「“モバイルファースト、クラウドファースト” 時代の新たな協業」。熱いなぁ笑 これ、パワーポイントで使ったフレーズの使いまわしだよね。

 

重要なのは、サブタイトルだね。これ、まるまま逆にしたほうがまだまし。ただ、何の「第1弾」なのか、両方を読んでもわからない。まぁ、「CLOMO MDM」が出るのかな、くらいだけの意味しか伝わらない。こういう、何か大きいことを言っているのに、日本語として何も言ってない、時々見る。これ、広告代理店とかが作っているのかな?知らないけど。リリースを書くライターなら、こういうの書かないものね。

株式会社アイキューブドシステムズ(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:佐々木 勉、以下 アイキューブドシステムズ)と 日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表執行役 社長:平野 拓也、以下 日本マイクロソフト)は、”モバイルファースト、クラウドファースト“ 時代の新たな協業で合意し、エンタープライズ モバイルデバイス管理(MDM)分野で連携します。

タイトルの繰り返しか。うーん、わからん。けど、MDMエンタープライズ モバイルデバイス管理という内容ということだけ理解した。

本協業により、モバイルセキュリティおよび MDM で国内最大のサービスプロバイダー (*1) であるアイキューブドシステムズは、同社が開発する MDM サービス「CLOMO MDM」の Windows 対応を強化するとともに、「CLOMO MDM」のプラットフォーム(基盤)を Amazon Web Services から、マイクロソフトパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」へ全面移行し、今後マイクロソフトの提供する Windows 10、さらにクラウド型セキュリティソリューションである Enterprise Mobility Suite(以下、EMS)との相互連携を高度に実現します。

「本協業」って聞きなれない言葉だ。このリリース、もしかしてマイクロソフトと「協業した」ってのを自慢するためのものなのか?あー、それなら、タイトルも納得。逆に、目的を打ち出しているので、OKです。ちょっと流し読みしてみよう。

アイキューブドシステムズは、Microsoft Azure の「サポート品質」「TCO(総所有コスト)」そして「法人向け機能の豊富さと対応スピード」を評価する

 

日本マイクロソフトは、~~トータルソリューションを提供できるサービスプロバイダーとの連携の必要性を認識しており、特 に業界トップのアイキューブドシステムズとの連携の可能性を探っていました。

 

本協業により、アイキューブドシステムズは、「CLOMO MDM」の Windows 対応強化に加えて

 

本協業の第一弾として、アイキューブドシステムズは、日本マイクロソフトからの協力を得ながら「CLOMO」の Microsoft Azure への全面移行

 

また、日本マイクロソフトはアイキューブドシステムズの製品開発に対する技術協力とあわせて、マーケティング、営業の面において連携

 

アイキューブドシステムズはこれら両社の強みに基づく強力な協業から

うん、ぶれてないね。批評やり直し。

 

タイトルは文字数多いけど、内容はOK。「本協業」という言葉は頭が悪すぎるので、使うのは最初の1回だけ。次からは「アイキューブドシステムズとマイクロソフトの連携により」「~のシナジーで~」「~で協力して~」と日本語を使い分けて強調すべき。

 

そんな中

アイキューブドシステムズは、Microsoft Azure の「サポート品質」「TCO(総所有コスト)」そして「法人向け機能の豊富さと対応スピード」を評価する

ここの日本語が違和感がすごい。「アイキューブドシステムズはMicrosoftを評価する」って構文なんだけど、どういう意味? さすがに「気に入った」って意味じゃないよね。でも、「テストする」って意味でも通じない。何だろう。これは、「惚れた」「認めた」って文脈でいいのかな? それなら、書き直しです。

特に、Windows 10 で強化された様々な機能は、企業で活用するモバイルデバイスとしての親和性を大きく向上すると考えています。Windows 10 の利用拡大によって、企業の基幹システムに近い業務など、モバイル活用のシーンが拡大することを期待しています。

あやふやだなぁ。何の意味もないので読み飛ばしだよ。「様々」とか使って例を出さないなら、その文章書かないほうがいい。価値がまったくない。書いている側の自己満足。読み手には何も伝わらない。だって、ベースの知識がないんだから。期待する、とか、そんなことリリースに書く内容じゃない。

特に、Windows 10 で強化されたモバイル・クラウドに関する機能は、ビジネスシーンとの親和性を大きく向上してくれます。Windows 10 が普及するにつれ、企業の基幹システムに近い業務など、モバイル活用のシーンも拡大していくことは確実です。

と言い切っても問題なし。

日本マイクロソフトは、“モバイルファースト、クラウドファースト“ 時代において、効率の良いデバイス管理やセキュリティ脅威への高度な対応が求められる中、お客様の多様なニーズに対応するために、マルチプラットフォーム に対応し、クライアントからクラウドサービスまでの一元的なトータルソリューションを提供できるサービスプロバイダーとの連携の必要性を認識しており、特 に業界トップのアイキューブドシステムズとの連携の可能性を探っていました。

このような背景のもと、両社はシナジーを最大化することで、法人に求められる最適な MDM ソリューションの提供が可能になることで認識が一致し、今回の協業に至りました。

違うんだよなー。マイクロソフトと五分だと書きたいなら書き方が違う。これは、「あの芸能人と飲むことあるんだけど、あいつ独身だから結婚してる俺によく相談するんだよねー」と、数百人いるパーティーで30秒話しただけの相手を話題に出すのに似てる。

 

この文章を書くなら、リリースの冒頭や署名の順番が逆でなければいけない。マイクロソフトが後に来ているのに、この自画自賛は逆効果になってしまう。小ささを際立たせてしまうのね。

 

特に業界トップ」と言い切るなら、こんな陳腐な言葉ではなく、正面からその実績と凄さを事実だけで紹介しつつ、マイクロソフトとの連携はスパイスのように入れていくのがキモ。その隠し味は、強烈にこの会社のブランディングに寄与するだろう。この原稿は、化学調味料ぶちまけまくって、本来味音痴で化学調味料が好きな人でも鼻についてしまう。

 

名目上の重要ポイント、製品の特長だけチェックしよう

■ アイキューブドシステムズが提供する「CLOMO MDM」の特長

「CLOMO」は「EMM(エンタープライズモビリティ管理)」に必要な機能を幅広く提供しており、スマートデバイスを企業・教育機関で導入する際の「情報漏えい対策」「利用ルールの適用」「状態の監視」を、デバイス、アプリ、コンテンツ、それぞれに対して実現します。
「必 要な機能のみを選択できる購入体系」や「使い勝手の良いインターフェイス」を実現するなど、導入・運用の手軽さが特長です。お客様のモバイル管理・活用を 積極的にご支援するサポート体制も評価頂き、大林組様、佐賀県庁様、東京海上日動火災保険様、桐蔭学園様、ノエビアホールディングス様、メディセオ様な ど、大規模運用ユーザーを中心に、6,000社を超える多様な企業・教育機関様に幅広く採用されています。

さらに、「CLOMO」シリーズにおいて主にデバイス、アプリ管理機能を提供する「CLOMO MDM」は、日本初の iOS 向け MDM サービスとしてサービスインした後、Apple 社の法人向けサービスにも国内最速で対応し、インテル® vPro™ テクノロジーにも世界最速で対応するなど、iOS / Windows デバイスの高度な管理・活用にも強みを持っています。

内容は十分かな。日本語はちょっと変だが。

「CLOMO」は「EMM(エンタープライズモビリティ管理)」に必要な機能を幅広く提供しており、スマートデバイスを企業・教育機関で導入する際の「情報漏えい対策」「利用ルールの適用」「状態の監視」を、デバイス、アプリ、コンテンツ、それぞれに対して実現します。

幅広く、ってのを例を出さないでいうのはダメ。順番が逆。実現する、も幼稚。

「CLOMO」はスマートデバイスの「情報漏えい対策」や「利用ルールの徹底」「利用状態の監視」などを、デバイス・アプリ・コンテンツのすべてで導入するといった「EMM(エンタープライズモビリティ管理)」に必要な機能を幅広く提供しています。

じゃないと説得力がない。

「必 要な機能のみを選択できる購入体系」や「使い勝手の良いインターフェイス」を実現するなど、導入・運用の手軽さが特長です。お客様のモバイル管理・活用を 積極的にご支援するサポート体制も評価頂き、大林組様、佐賀県庁様、東京海上日動火災保険様、桐蔭学園様、ノエビアホールディングス様、メディセオ様な ど、大規模運用ユーザーを中心に、6,000社を超える多様な企業・教育機関様に幅広く採用されています。

しかし、「」多いね。使い方は間違ってないからまだいいけど、読みにくい。また、実現、が入っているね。

「必 要な機能のみを選択できる購入体系」や「使い勝手の良いインターフェイス」を実現するなど、導入・運用の手軽さが特長です。」

って、小学生かよ! 使い勝手の良いUIを搭載しているから、運用が手軽です、ってちょっと大人が書く文章じゃない。たぶん、そこに企業努力はしているのだろうから、きちんと内容のある情報を発信しないとだめ。

 

6000社に導入って、すごい! 凄い実績だ。でも

お客様のモバイル管理・活用を 積極的にご支援するサポート体制も評価頂き、」

これでぶち壊し。なんで、こんなすごい実績を正面から提示せず、子供が背伸びするような表現するの? すごくもったいない。もし、6000という数字がなかったら、失笑して読み飛ばすところだった。

 

充実のサポート体制があるなら、きちんと具体的な数値で説明すればいいだけ。何かに絡めて大きく見せようとする必要はない。ハッタリにもいろいろテクがあるが、これは悪手。

「俺、人気者。俺んちには毎日友達が遊びにくるぜ」って言っても、お母さんのおやつが美味しいから集まっているのかもしれないわけ。

 

「CLOMO MDM」のことを言いたいなら、なにも通じないリリース。フォーマットがきちんとしているので、★2。でも、マイクロソフトとの協業を打ち出すなら、頑張ってる。いろいろ背伸びしすぎて逆効果になっているが、その行き過ぎも含めてマイクロソフトと絡んでるんだね、ってのは理解できるので★3。

 

でも調べたら資本金3億あって、15年もやっているすごい会社だった。だったら、だったら! こんなスタートアップみたいな、中身のない頑張っちゃってる感のあるリリースは書くべきじゃないと思う。もったいない。

 

本日のプレスリリース ★☆☆

www.i3-systems.com